クリニックレターvol.57 特別編 「お子様のワクチン接種について」

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2021.10.04

クリニックレターvol.57 特別編 「お子様のワクチン接種について」

新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が全国で9月30日に解除され、皆さまの行動制限が少しずつ緩和されることもありますが、感染対策については継続して変わらないご対応をお願いいたします。

現在、成人のワクチン接種について「3回目のワクチン接種」が話題になっています。この3回目の接種はいわゆるブースター効果を期待してのものになりますが、WHO(世界保健機関)では「各国にすべての国で人口の10%が接種を終えること」を目標としているため、早くても来年早々に行われるのではないかと推察されます。

本日は、まだ未接種の方も多いのではないかと思われる「子ども(12歳以上)」のワクチン接種について触れていきたいと思います。
現在、ファイザー社もモデルナ社のワクチンの両方とも16歳以上→12歳以上に接種対象を変更しています。COVID-19は小児において多くの場合は軽症で子どもの感染者数は成人と比べると少ないですが、感染しやすさは成人と変わらないことがわかってきています。 
成人、特に高齢者や基礎疾患を有する場合は重症化しやすく死亡率も高いので優先的にワクチン接種を行ってきていました。ですが、家庭内でお子さんが外から感染して帰って来ていたりすると、再感染してしまう「ブレイクスルー感染」が起こってしまう可能性があります。子どもは感染していても無症状である可能性も指摘されています。ただし、子どもは正確に症状を訴えられないことに注意しなければなりません。

【子どもがコロナに感染すると】

発熱、乾いた咳を認める一方で、鼻汁や鼻閉などの上気道症状は比較的少ないと言われています。成人と同じように、発熱が続き肺炎になる例も報告されています。一部の患者では嘔吐、腹痛や下痢などの消化器症状も認めるようです。
成人で報告されている嗅覚や味覚の異常は子どもでは少ないようですが、症状を訴える事ができる10代の患者さんの報告はあり注意は必要です。また、しもやけのような症状や、発熱が続き、腹痛・下痢、発疹を認め具合の悪くなる子どもが欧米諸国から報告されています。

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【子どもがワクチンを接種するメリット】

  1. 自分自身を守る:重症化することは少ないとは言いますが0ではありません。また、多系統炎症性症候群という川崎病に似た全身性の炎症疾患が起こることもあると言われているリスクを抑えることが示唆されています。
  2. Long COVID(後遺症)のような感染から回復しても倦怠感や味覚障害など様々な症状が長期間続くケースが報告されています。これは軽症であっても起こりますので、子どもだから大丈夫ということはありませんので、早目の接種がよいです。
  3. 何よりも一緒に暮らす家族を再感染、感染させないことです。

【子どもがワクチンを接種するデメリット】

  1. 副反応が起こることがやはりあります。若い方の方が副反応は出やすいと言われていますので、そこは要注意だと思います。
  2. 10万人に数人の割合ではありますが、軽度の心筋炎が起きることがあると言われています。ただ、海外ではいずれも軽度の心筋炎で早期に回復したと言われていることから、軽視はできませんが十分に対応できると思います。
  3. 接種後、胸痛や動機、呼吸困難などが出た場合はすぐ医療機関を受診してください。最低15分は休憩をとるため、その間でも違和感があれば報告してもらうようにしましょう。

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15歳未満のお子さんが接種する場合は保護者同伴が義務付けられています。ぜひリラックスしてワクチン接種できるように最大限のサポートをお願いいたします。
不明点や疑問点があれば下記でも解説してくださっています。

新型コロナウイルス感染症に関するQ&Aについて(日本小児科学会)

家庭内感染を防ぎ、さらには子どもたちが様々な制限を受けることなく日常生活を送るために是非、子どものワクチン接種をご検討いただくよう宜しくお願いいたします。

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