クリニックレターvol.58  「インフルエンザワクチンの接種について」

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2021.11.01

クリニックレターvol.58  「インフルエンザワクチンの接種について」

新型コロナの第5波以降、新規感染者が少なくなっている昨今ではありますが、第6波はいつ来るのか?また、今年はインフルエンザが流行るのか?などが話題になっています。
現在は、新型コロナウイルスの新規感染者が少なくなっていますが、2週間後はどうなるかわからない状況ですので、気を緩めることなくご対応よろしくお願いいたします。

今日はそんな中ですが、日本感染症学会が、冬に備えインフルエンザワクチンを積極的に接種するよう呼びかけていますので話題として触れさせていただきます。

今年のインフルエンザの傾向について(日本感染症学会の報告より)

2020年の冬季にはインフルエンザと新型コロナとの同時流行などが話題になっていましたが、同時流行はみられませんでした。
 この要因は、新型コロナ対策として普及した手洗い、アルコール消毒、マスク着用、3密の回避、緊急事態宣言などの感染対策がインフルエンザの感染予防についても効果的であったからだと考えられています。また、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスとのあいだにウイルス同士の干渉があったとも同学会では示唆しています。
 日本感染症学会は、今年のインフルエンザは早期に流行が始まり、昨年のシーズンに、インフルエンザに罹患した人は少数だったため、海外の移動なども制限していた今年に移動が再開されたことなどを考えると、国外からウイルスが入ってきた場合、昨年より免疫ができていない方が多い可能性が多いと推測されるため「インフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨します」と呼びかけています。

新型コロナウイルスについて

さらに、日本感染症学会においては新型コロナについても、秋以降も多くの新規患者が発生するリスクを提唱しています。「ワクチンで予防できる疾患については可及的に接種を行い、医療機関への受診を抑制して、医療現場の負担を軽減することも重要です」と、同学会は指摘している。

インフルエンザワクチン接種の時期

インフルエンザシーズンの時期と現行の不活化ワクチン効果の減弱を考慮すると、ワクチン接種は理想的には10月末までに行うことが推奨されています。ただ、現状、各医療機関では新型コロナワクチンの接種などの対応で煩雑になっており、理想通りには運んでいません。また、現在、厚生労働省からの通達では、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種は出来ない。それぞれ2週間の間隔を開ける必要があるとされています。新型コロナウイルスワクチンをまだ接種していない人は、インフルエンザワクチンの接種時期なども考慮して各ワクチンの接種時期をご検討していただきたいと思います。

高齢者の方々などは特にインフルエンザを発症しても高リスクを持たれると思います。皆さまには新型コロナワクチンを接種したとは言え、インフルエンザワクチンも速やかに接種いただき、医療機関内での混雑にならないようにリスク回避を是非お願いいたします。

特にインフルエンザワクチン接種を推奨する患者さん

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下記の要件に当てはまる方はインフルエンザに罹患した場合の合併症のリスクが高いとされています。このコロナ禍で更にワクチン接種をすることにご不安を持たれる方もいらっしゃると思いますが、なるべく早めの接種を検討していただければと思います。

  • 6か月以上5歳未満
  • 65歳以上(50歳以上とするものもある)
  • 慢性呼吸器疾患(気管支喘息や肺気腫など)
  • 心血管疾患(高血圧単独を除く)
  • 慢性腎・肝・血液・代謝(糖尿病など)疾患
  • 神経筋疾患(運動麻痺、痙攣、嚥下障害を含む)
  • 免疫抑制状態(HIVや薬剤によるものを含む)
  • 妊婦
  • 長期療養施設の入所者
  • 著しい肥満
  • アスピリンの長期投与を受けている者
  • がん患者

【参考:日本感染症学会サイト

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