クリニックレターvol.60「オミクロン変異ウイルスの最新情報」

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2022.01.04

クリニックレターvol.60「オミクロン変異ウイルスの最新情報」

新年あけましておめでとうございます。今年も『にしおかクリニック』を宜しくお願いします。今回は話題のオミクロン変異ウイルスの最新の特徴と、話題のブースター3回目について触れていきたいと思います。

UKHSA Technical briefingという英国の医学系雑誌にて、オミクロン変異ウイルスについて最新のトピックがアップデートされました。内容は「3回接種」の効果と「2回接種での抑制効果」並びに「オミクロンについてわかってきた最新の特徴」について触れています。

オミクロン変異ウイルスの現時点でわかっている特徴について

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  1. 病毒性の低下あり
    最新解析結果では、オミクロン変異ウイルスによる救急搬送や入院リスクは、デルタ株の約半分だったと考えられています。また救急外来受診から入院となるリスクは、オミクロン株ではデルタ株の約1/3と現状では報告されています。以上より、重症化のリスクはやや低下していると報告されています。

  2. 伝播性の上昇あり
    拡がりも早く、3回目接種をしても感染しているケースもあるため、感染力については既存の変異ウイルスよりも強いという状況。人から人へは移りやすいとのこと

    以上のことから重症化は今までより増えないかもしれないが、感染者数については増える可能性が高いので非常に注意が必要(日本と英国では背景が違うものの)。高齢者にいたっては、どんな状況でも重症化のリスクは常に懸念すべきであると思います。

  3. 免疫逃避、回避あり
    2回接種患者さんでの感染抑制効果についてですが、2回ワクチン接種しても感染しているとの報告があります。ファイザーやモデルナのワクチンも2回目の接種後、5か月程度で効果が減弱する可能性があると言われています。つまり5か月前の2回接種目ではオミクロン株の感染自体をほとんど防げていない可能性があると思われます。

ブースター3回目接種の効果について

  1. 1回目、2回目ファイザー➡3回目ファイザー
    1回目、2回目ファイザー➡3回目モデルナ
    1回目、2回目モデルナ➡3回目ファイザー
    1回目、2回目モデルナ➡3回目モデルナ
    いずれもオミクロンに対する中和抗体が産生され、発症予防効果は70~80%期待出来ます。ただ、10週(約2か月半)はオミクロン変異ウイルスへの効果が持続するようですが、その後、効果は減弱するようです。

  2. 入院予防率については3回目接種では88%の予防ができていると報告されました。なお、入院率については2回目接種の患者さんでも52%は予防できているとあり、感染をしたとしても入院までしなくてはいけない状況は防ぐ可能性が期待できます。ただし本データも3回目接種についてはまだ検証期間が2週間と短いので、今後の見解にさらに期待されます。

以上のことから、オミクロン変異ウイルスについては「感染力が強い」ということ。加えて、2回目ワクチン接種のみでは効果が弱いことがわかっています。

年末年始で人の動きがかなり多くなり、国内でも感染者数は徐々に増えてきています。ただし3回目のワクチン接種を打てるようになるまでは、まだ少し時間があります。
デルタ株が大流行せずに抑えることができたのは、日本特有の感染対策(国や市町村からマスク着用や3蜜回避の強要や指示がなくでも自ずと感染予防を行える国民性)が素晴らしかったことの証明だと思います。引き続き気を緩めず感染対策のほど、よろしくお願い致します。

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