クリニックレターvol.61 特別編 「3回目のブースター接種について」

内科・循環器内科・糖尿病内科・在宅診療 にしおかクリニック

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クリニックレター

2022.02.07

クリニックレターvol.61 特別編 「3回目のブースター接種について」

現在、新型コロナウイルスの第6波が到来しており、1日の感染者数も全国で10万人を超える日が続いています。その中で、いよいよ大阪でも自衛隊が運営する新型コロナワクチン大規模接種が2月7日からスタートすることになりました。(にしおかクリニックでも2月7日より接種開始となります。)

【新型コロナワクチンのブースター接種とは?】

2回目接種が終了した後のワクチン3回目接種の事を意味します。つまり、ブースター接種とは「ワクチンの効果を高め、持続させるための追加接種」のことです。ブースターとは、「増幅器」のことになります。

この3回目の接種は2回目までのワクチンでもちろん効果はあるのですが、感染予防効果や、高齢者においては重症化の予防効果について、時間が経つと徐々に低下していく傾向があると言われております。そのため、現在の感染拡大防止および感染してしまった際の重症化予防の観点から、初回接種を完了したすべての方に対して、追加接種の機会を提供することが望ましいとされています。

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【接種ワクチンと接種対象年齢】

18歳以上の方々が対象になります。新型コロナウイルスワクチンの3回目(ブースター)接種は、ファイザー製は1、2回目と同量ですが、モデルナ製は半量に設定されています※。
今回の接種では、今までの接種したワクチンに関わらずファイザーかモデルナのいずれかを接種していただく形になります。
※臨床試験では、初回接種の半分の量でも血清中の中和抗体価の上昇が認められ、必要な免疫応答が得られたことが確認されています。

【3回目の効果と副反応】

初回(1回目・2回目)接種による発症予防効果は3回目の追加接種により回復することが示唆されています。
前回のニュースレター(vol.60)でも触れましたが、オミクロンに対しては、ファイザー製・モデルナ製ともに3回目接種後にはワクチンの感染予防効果は約65~75%ですが、5~9週目には55~65%、10週目以上には45~50%に低下します。
オミクロンに対する感染予防効果は長期持続しない面はありますが、入院予防効果や死亡予防効果は持続します。

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一方、副反応については、ファイザー製、モデルナ製も2回目の副反応の割合が1番高く、3回目の接種後の副反応は2回目より低い割合が報告されています。ただし、リンパ節の腫れなどについては、初回接種時と比較して、発現割合が高い傾向にありました。国内の調査結果(中間報告)でも、ファイザーのワクチンにおける、追加接種から1週間後までの有害事象の状況は、2回目の接種後とほぼ類似していましたが、わきの下の痛みなどについては、3回目の接種後の方が、発現頻度が高い傾向が見られました。

【体調不良、発熱など起こした場合の対応について】

現在、感染者の増加に伴い、患者と同居あるいは長時間の接触があった濃厚接触者も激増する形となっています。それに伴い、発熱外来患者の急増、また、PCR検査希望者が殺到し、検査キット(PCR試薬液や抗原検査キット)不足などの問題が生じています。今回、風邪様症状が出現した時の対応についてですが・・・

  1. かかりつけ医がいる場合
    ⇒かかりつけ医などの身近な医療機関に相談(37.5度以上の熱がある場合はまずお電話)

  2. 夜間・休日やかかりつけ医がいない場合
    ⇒新型コロナ受診相談センターに相談(下記URL参照)
     https://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/corona-denwa.html
    参考:大阪府ホームページ 「診療・検査医療機関」の指定について

発熱、倦怠感などの症状を事前にかかりつけ医などの身近な医療機関に電話で伝えてください。かかりつけ医や受診相談センターから案内された医療機関を受診する際にはマスクを必ず着用して、公共交通機関等の利用は可能な限り避けるようにしてください。
発熱などのかぜ症状がある場合には、仕事や学校は休んで、不要不急の外出は控えてください。

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