クリニックレター
2022.07.04
クリニックレターvol.66 「夏場の熱中症対策とマスク着用について」
「熱中症予防のため、屋外ではマスクを外してください」例年より早い梅雨明けになり、先日群馬県伊勢崎市では40.1℃を観測しました。
熱中症と新型コロナウイルスの対策の両立が求められる最中、厚生労働省から6月21日付けで屋外でのマスク着用は熱中症のリスクが高まるため外すよう呼びかけるリーフレットがHP上で公開されました。
【屋外にて過ごす際】
屋外では散歩やランニング、通勤、通学時にマスクの着用は不要としています。特に運動時には忘れずに外すよう求めています。人間の体は体温を一定に維持するために発汗や呼吸の促進数などで調整します。呼吸数が増えている中、マスクをすることで不快指数があがるなど、気が付かない間に熱中症のリスク(脱水や呼吸困難)があがることが示唆されるため、高温の屋外では負荷をかけないようにしましょう。
ただし、2メートル以内の近距離で会話をする時は着用を求めています(電車やバス等の公共機関の利用時はマスク使用)。
【屋内で過ごす際】
屋内では、人との距離が2メートル以上あり、ほとんど会話をしない時にはマスクは不要としています。マスクを着ける場合でも、熱中症のリスクが高い場合はエアコンや扇風機、換気により温度や湿度を調整し、暑さを避けて小まめに水分を補給するように呼び掛けています。
基本的には屋内でも屋外でも「2メートル以内で会話をする際」にはマスクは必要であると言えます。熱中症は屋外だけで起こるわけではありません。どこにいても水分補給を欠かさず、暑さに対してケアを欠かさずにお願いします。
出典:厚生労働省ホームページ:https://www.mhlw.go.jp/content/000952020.pdf
【知っていますか?熱中症警戒アラート】
2021年4月下旬から環境省で始めている試みで「熱中症警戒アラート」という発信が始まっています。これは、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際、危険な暑さへの注意を呼びかけ、予防行動を促すための情報発信です。
下記サイトからメールにて日々のアラートを確認することができます。
環境省熱中症警戒アラート:https://www.wbgt.env.go.jp/
【もしアラートが出たら】
最も重要なことは「危険な暑さを避ける」ということです。
そのための行動例は下記の通りです。
・不要不急の外出は避け、昼夜を問わずエアコン等を使用する。
・熱中症のリスクが高い周りの高齢者、子ども、障害者等に対して声かけをする。
・エアコン等が設置されていない屋内外での運動は、原則中止または延期する。
・のどが渇く前にこまめに水分補給する(1日あたり1.2リットルが目安)など、普段以上の熱中症予防を実践する。
熱中症搬送者の半数以上は高齢者(65歳以上)で、熱中症のリスクが高い人達は特に注意が必要です。他にも子ども、持病のある人、肥満の人、障害者などは、熱中症にかかりやすい「熱中症弱者」にあたります。
熱中症は、体温の調整ができなくなった状態のことを指します。重度になるとゆで卵のようにいくら冷やしても生卵に戻らないと表現されている方もいらっしゃいました。感染対策と同じくらいに熱中症対策もくれぐれもご注意お願いいたします。