クリニックレターvol.67  「コロナ禍における熱中症対策について」

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2022.08.06

クリニックレターvol.67  「コロナ禍における熱中症対策について」

過去最大の新型コロナウイルスの感染拡大に、真夏の暑さによる熱中症が重なり、現在、救急や医療現場が逼迫しています。実際、熱やだるさなど、コロナ感染と熱中症は症状が被る部分も多く、我々医師でも判断に迷うことが多々あります。

現在、新型コロナウイルス感染症のオミクロン株の派生型である「BA・5」が猛威を振るっていますが、今回は熱中症に対して、改めてご理解いただけるように整理していきます。

【熱中症とは?】

熱中症とは温度や湿度が高い中で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、重要な臓器が高温にさらされることによる障害の総称です。

【熱中症の症状とは?】

熱中症の初期症状として、めまいや立ち眩み、筋肉痛などの症状が現れます。症状が進んでいくと、頭痛や吐き気、倦怠感などの症状になってきます。さらに重症化すると、意識障害やけいれんを起こすこともあり、体温が著しく上昇する場合があります。

vol67_img1.png環境省資料より作成

【熱中症かな?と疑わしい場合】

  • 涼しい場所や日陰のある場所へ移動し、衣服を緩め、安静にしましょう。
  • エアコンをつける、扇風機・うちわなどで風をあて、体を冷やしましょう。
  • 飲めるようであれば水分をこまめに取りましょう。

※①意識がおかしい、②水を自分で飲めない。①や②の場合は救急車を呼び、すぐに応急処置を行うことが必要になります。

【熱中症にならないためは予防が何より大事】

新型コロナの感染対策をしながら、熱中症をどう防げばいいのか。「新しい日常」を実践するために、それぞれの感染予防対策による熱中症リスクの増大を防ぐことがこの夏は重要です。

  • 部屋の温度に注意し、エアコンや扇風機を上手に使いながら、まめに換気をしましょう(日本救急医学会でも推奨されています)。
  • 涼しい服装、日傘や帽子で暑さを避けましょう。
  • 日頃の体温測定、健康チェックは、新型コロナウイルス感染症だけでなく、熱中症を予防する上でも有効です。体調が悪いと感じた時は、無理をせず、自宅で静養をするようにしましょう。
  • マスク着用時は、激しい運動は避け、のどが渇いていなくても、こまめに水分補給を心掛けるようにしましょう。

vol67_img2.png環境省資料より作成

【新型コロナの疑いの可能性が出てきた場合】

下記のフローを参照ください。

vol67_img3.png

限りある医療資源を有効活用するための
医療機関受診及び救急車利用に関する4学会声明より

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