クリニックレター
2023.04.01
クリニックレターvol.75 「花粉症の症状について」
今年2023年は日本気象協会では「スギ花粉の極めて大量の飛散シーズン」と言われており話題になっています。今年は例年に増して、花粉症の方には本当につらい毎日ではないでしょうか? 花粉症の治療は耳鼻科だけではなく、内科でも可能ですので、是非、ご相談していただければと思います。よって、今回のお題は花粉症についてです。
【花粉症とは】
花粉症とは、花粉によって人の体内で起こるアレルギー反応のことを指します。症状としてはアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎の中でもスギやヒノキなどの春の花粉が原因によるものが多く、主にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などが起こります。
日々の花粉飛散の情報については下記サイトからもご確認ができますので、是非、ご覧ください。
【花粉症の原因とは何か】
季節性アレルギー性鼻炎(以後:花粉症)と通年性アレルギー性鼻炎の2つに病気としては分類されています。季節性アレルギー性鼻炎は原因となる花粉の飛ぶ季節に症状が発生します。日本では、約60種類の植物が花粉症を引き起こすと報告されていますが、日本では約40%の花粉症患者さんの原因がスギ花粉であると言われています。
通年性アレルギー性鼻炎は「ハウスダスト」や「ペット」「ダニ」などへ反応してしまうため、1年中アレルギー反応を起こしてしまう病気です。
【治療法について】
花粉症は重症でも生命に関わることはありませんが、治療には「薬物療法」、「アレルゲン免疫療法」などがあります。また、症状の原因となる花粉のアレルゲンを回避する環境整備も重要です。
1 薬物治療
- 鼻の症状、特にくしゃみ・鼻水・鼻づまりなどを抑えるために抗ヒスタミン薬と言われる飲み薬や、鼻づまりの炎症を抑える点鼻ステロイド薬などの点鼻薬を使います。飲み薬の抗ヒスタミン薬は眠気などの副作用があると言われていますが、近年では眠気の出にくい薬もありますので、ご相談ください。
- 目のかゆみや充血などの症状)には、花粉症用の点眼薬が用いられます。花粉飛散量が増えて症状がだいぶ悪化してくると、目のアレルギー性炎症に対して点眼のステロイド薬を用いる場合もありますが、これについては眼科の専門医を受診して定期診断をすることになります。
2 アレルギン舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)
スギ花粉とダニアレルギーに対応すると言われている治療法です。簡単に言うとアレルギーの原因物質を少量ずつ摂取し、体を慣れさせてアレルギー反応を起こさせなくする治療法になります。治療は年単位でかかる根気のいる治療ですが、薬物療法で副作用が出るために治療が続けられない患者さんや、薬物療法だけでは症状が抑えられないような患者さんでは、免疫療法が良いケースも考えられます。当クリニックでは現在、施行しておりませんので、近隣の耳鼻科、小児科、アレルギー科にご相談ください。
【日常生活で気を付けること】
鼻の洗浄や、鼻の粘膜の保護(鼻をかみすぎたときのケア)、室内の加湿、マスク着用が有効です。花粉やホコリなどの目の異物は洗眼をすることが効果的と言われています。
外出したあとは家の中に花粉を持ち込まないように玄関前で花粉を払い、すぐに着替えて外気に露出した顔などを洗い流しましょう。
【最後に】
花粉症になると、くしゃみの影響や市販薬の影響で眠くなって身体が重たくなったりけだるくなったりすることもあります。気になる症状などがあれば、お近くの医療機関を受診していただけますよう宜しくお願いいたします。