クリニックレター
2023.04.17
クリニックレターvol.76「黄砂による身体への影響について」
北日本から西日本の広い範囲で4月中旬から黄砂の飛来が発生すると予測されています。
実際に4月12日時点では大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・徳島県で黄砂の飛来が確認されており、特に京都と彦根では視程(水平の見通し距離)が7kmと、見通しがやや悪くなっているという報道がされています。気象庁によると、東京で4月に黄砂が観測されれば2007年以来、16年ぶりとなるということです。
今回のテーマは、話題になっている黄砂についてどのようなものなのか?また、黄砂の身体への影響などについてです。
【黄砂とは】
黄砂とは中国大陸の砂漠地帯から強い風によって巻き上げられた細かな砂やチリが風に乗って運ばれ、それらが落下する現象のことを言います。
日本では偏西風の関係から春に黄砂が観測されやすく、ひどい場合には煙っているように見えることもあります。
風によって大気中に舞い上げられた黄砂は、発生源地域周辺の農作物や生活環境に影響を与えると言われています。
引用元:環境省HPより
【黄砂による被害とは】
黄砂による人への影響について、環境省は、これまでの研究成果などをもとに「黄砂とその健康影響について」としてホームページに公開しています。
黄砂の飛来によるリスク関連としては下記2つが代表としてあげられています。
- 目のかゆみや結膜炎、鼻水やくしゃみなどのアレルギー症状
- 気管支ぜんそく※や肺炎など呼吸器疾患の悪化
※特に高齢者や子どもの気管支ぜんそくは危険視されています。
黄砂は吸い込むと人体にも影響がある可能性が高いため、吸い込まないような工夫が必要です。
【黄砂による悪影響を予防するため】
基本的には花粉症と同様にはなりますが、環境省や気象庁などの黄砂注意報をご覧になりつつ下記を実践してみてください。
- 黄砂が大量に飛来すると言われている日は出来る限り外出を控える
- 不織布マスクなどを着用して黄砂を直接吸い込まないようにする
- 換気はしてもなるべく窓は全開では開かないようにする
- 洗濯物の外干しは避け、外出から帰宅した際は黄砂やほこりを落とすようにする
- 帽子やメガネを着用し、花粉が入らないように工夫する。
いずれにせよ、黄砂にさらされる時間を少しでも短くする。これが一番の対策になります。
【最後に】
大阪府内での黄砂飛来の観測は2021年5月9日の観測以来、約2年ぶりということですが、
環境省気象庁黄砂HP:https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/kosateikyou/kosa.html
などから情報を日々チェックいただき、何か気になる症状が現れた際にはすぐに受診していただけますよう宜しくお願いします。