クリニックレターvol.84「頭痛について ~片頭痛を中心に~」

内科・循環器内科・糖尿病内科・在宅診療 にしおかクリニック

お知らせ・コラム

NEWS AND TOPICS

お知らせ・コラム

クリニックレター

2023.12.04

クリニックレターvol.84「頭痛について ~片頭痛を中心に~」

クリニックに来院される患者さんの中には、頭痛でお悩みの方も多いです。頭痛は、多くの場合、大きく分けて3つに分けられます。①片頭痛 ②筋緊張性頭痛 ③群発頭痛です。今回は、日本では約10人に1人が患っているといわれる片頭痛を中心に特徴や日々のケア、治療法についてお話します。

片頭痛とは

片頭痛は、脈を打つようにズキンズキンと頭が痛み、動くと吐き気や肩こりなどを起こしてさらに悪化するのが特徴です。

日本で片頭痛がある人は、約840万人と推計されていて、男性の 3.6%、女性の 12.9%が抱える神経性の疾患と言われています(全国調査結果より)。片頭痛を一度起こすと持続する時間は4〜72時間とさまざまで、個人やその人の状況によって異なります。

片頭痛のメカニズムはまだ詳しく解明されていませんが、顔の感覚(触覚、痛覚、温度覚)を脳に伝える役割を果たす三叉神経(さんさしんけい)が刺激され、痛みを引き起こす物質(CGRP:シージーアールピー)の分泌により、炎症と血管拡張をおこし、その結果、脳が痛み、嘔気、眠気を感じるとされています。

vol84_img1.png

どんな症状になるのか

片頭痛発作の具体的な兆候は下記のようなものが代表的です。

下記に当てはまる方は片頭痛の可能性が高いです(特に①~③)。

  1. 頭の左右どちらかの片側が痛む人が約6割、両側が痛む人が約4割と言われています。
  2. 吐き気やおう吐を伴う頭痛➡他の頭痛とは違う
  3. 普段では気にならないような光や音、においに敏感になる
  4. ズキンズキンと脈打つような拍動性の痛みが生じる。
  5. 頭痛が起こると寝込みたくなる(中等度以上)➡日常生活に支障が出る。
  6. 身体を動かすとどんどん痛みが増してくる

前兆は、頭痛より前に起こる症状で、視界がキラキラ、チカチカと光る「閃輝暗点(せんきあんてん)」どの視覚性前兆が最も多くみられます。通常は60分以内に前兆が終わり、その後に片頭痛の痛みが始まります。

その他の頭痛について

筋緊張性頭痛・・痛みが頭全体に起こることが多く、頭、肩、首の筋肉の緊張やストレスなどによって頭を締め付けられるような痛みが生じる頭痛が特徴です。吐き気や閃輝暗点は出にくいです。

群発頭痛・・・目の後ろを錐(きり)で刺される痛みとして表現されることが多く、片側に起こります。 鋭い痛みが特徴で、比較的稀な疾患です。

vol84_img2.png

治療法はどのようなものがあるのか

お薬による治療

日常生活に支障が出る頭痛があれば、まず、最寄りの医院を受診してください。急性期治療として、片頭痛時に痛みを和らげる鎮痛薬による治療や予防治療として、片頭痛発作を出来るだけ起きないようにする薬の治療を行います。必要時に精査(頭部MRIなど)も行います。

セルフケア

  1. 規則正しい生活を意識する
  2. 過眠、睡眠不足にならないようにする
  3. ストレスをためないようにコントロール
  4. 適度な運動(痛みがないときに)
  5. 激しい光や音のある場所での注意ケア、アルコールなどの過量接種
  6. 痛みが出た際には冷たいタオルなどでケアをする

最後に

頭痛ダイアリー(日記)の活用

片頭痛の対策をする上で、発作がいつ、どんなきっかけで起こりやすいのかなど、頭痛の特徴を知っておくことが大切です。頭痛ダイアリーとして、頭痛の記録を残すことは、頭痛の特徴がわかるだけでなく、医師があなたの治療を考えるための重要な情報になるため、ご活用いただければと思います。詳しくは、かかりつけ医にご相談ください。

一覧にもどる