紅麴入りサプリメントの健康被害について考える

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2024.04.04

紅麴入りサプリメントの健康被害について考える

小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントを摂取した人に腎障害などの健康被害が出ている問題で、厚生労働省は入院した人の数が、令和6年4月1日の時点で166人になったと発表しました。死亡例も出た今回の健康被害の原因物質は現時点では不明ですが、青カビ由来の天然化合物「プベルル酸」が検出され、今後、新たな展開も見えてきています。

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サプリメントは天然由来だから安全?

サプリメントはよく処方薬とも比較されます。処方薬は化学物質であり危険である一方、サプリメントは天然由来であり安全である。これが、よく持たれる印象かもしれません。果たしてそうでしょうか?

処方薬とサプリメントの違い

安全性確認のプロセスという意味において、病院で使う処方薬については、安全性の確認が臨床試験の中で何重にも行われます。有効性と安全性を両天秤にかけ、有効性に傾けば、その薬が採用となります。

サプリメントの場合は、製造や販売において、製品の有効性や安全性を証明する必要性は必ずしもなく、実際に未承認成分の混入が繰り返し確認されています。以前もステロイド混入問題がありました。また、前述の天秤も慎重に検討されることは少ないでしょう。

サプリメントは、医薬品ではなく、健康食品として位置づけられていて、厳密な臨床試験を行う必要はありません。

機能性表示食品と表示されるものについては、事業者が消費者庁に届け出て公表すればよく、第三者による審査が行われているわけではないので、その安全性については、いわば各事業者の善意に任されています。

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最後に: サプリメントは必要なのか?

患者さんからよく『先生、何のサプリメントを採ったらいいですか?』と聞かれます。栄養不足であった昔と違い、飽食の時代となった今では、普通の食事をしていれば、サプリメントは基本必要ではないと伝えています。

ただ、妊婦さんへの葉酸や骨に対するビタミンD、鉄欠乏性貧血に対するヘム鉄など、人によっては重要なサプリメントも多々あります。
 また、胃を切除した人、また、偏食の人などにも必要なサプリ
 メントがあるので、是非、かかりつけの先生と相談してください。

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