クリニックレター
2024.07.13
クリニックレター特別編:熱中症対策2024
梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、連日、猛暑が続いています。熱中症の発症しやすい季節となりましたので、今年も特別編として、熱中症対策についてお話しさせていただきます。
【熱中症とは?】
熱中症は、高温多湿な環境下で体内の熱バランスが崩れる事で起こる健康障害です。温度や湿度が高い中で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、重要な臓器が高温にさらされることに起こる障害の総称です。
【熱中症の症状とは?】
熱中症の初期症状として、めまいや立ち眩み、筋肉痛などの症状が現れます。症状が進んでいくと、頭痛や吐き気、倦怠感などの症状になってきます。さらに重症化すると、意識障害やけいれんを起こすこともあり、体温が著しく上昇する場合があります。
環境省資料より作成
【熱中症かな?と疑わしい場合】
- 涼しい場所への移動
冷房の効いた室内や風通しの良い日陰など、できるだけ涼しい場所に速やかに移動します - 体を冷やす
衣服を緩め、露出した皮膚に水をかけ、うちわや扇風機であおいで体温を下げます。可能であれば、首や脇の下、足の付け根に氷や冷たいタオルを当てるのも効果的です - 水分・塩分補給
意識がはっきりしている場合は、水やスポーツドリンクなどで水分と塩分を補給します - 安静にする
体を動かすことで更に体温が上昇するため、横になって休息をとります。 - 症状の確認
めまい、頭痛、吐き気などの症状を確認し、重症度を判断します - 医療機関への相談
症状が改善しない場合や、意識障害、けいれんなどの重症の兆候がある場合は、すぐに救急車を呼びましょう
【熱中症にならないための効果的な対策】
- 部屋の温度に注意し、エアコンや扇風機を上手に使いながら、まめに換気をしましょう (日本救急医学会でも推奨されています)。
- 涼しい服装、日傘や帽子で暑さを避けましょう。
- 日頃の体温測定、健康チェックなど、体調が悪いと感じた時は、無理をせず、自宅で静養をするようにしましょう。
- のどが渇いていなくても、こまめに水分補給を心掛けるようにしましょう。
『高齢者や持病のある人は要注意』
熱中症になりやすい人として、高齢者、運動習慣がない人、太っている人、体調がよくない人、暑さに慣れていない人などが挙げられます。特に高齢者は、体温調節機能の衰えや未熟さによって体内に熱がこもりやすい(体温が上がりやすい)上、暑さを自覚しにくいこともあるため、リスクが高いといえます。
子供の熱中症ですが、子どもは大人よりも身長が低く地面に近い分、アスファルトの照り返しなどによる熱の影響を受けやすくなると言われているため、要注意です。
『最後に』
熱中症は予防可能な健康障害です。適切な対策を取ることで、安全な夏を過ごすことができます。当クリニックでは、熱中症に関する相談も受け付けております。ご不安な点やご質問がございましたら、お気軽に相談ください。