クリニックレター:冬の特別編「冬に増える心臓病の危険について」

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2024.12.16

クリニックレター:冬の特別編「冬に増える心臓病の危険について」

寒さが厳しいこの季節、心身ともに健康に冬を過ごすためには少しの工夫が必要です。冬場は寒さによって血圧が上がりやすく、心臓に負担がかかることが知られています。そのため、特に高血圧や心疾患をお持ちの方は注意が必要な季節です。
今回の特別編では、冬に増加する心臓病のリスクと代表的な疾患、その対応について、簡単に、分かりやすくご紹介いたします。

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どうして冬に心臓病が増加するのか

冬の寒さは心臓に大きな負担をかけることが医学的にも分かっています。この時期に増える主な原因として、以下が挙げられます。

01.寒さによる血管の収縮

寒い環境では血管が収縮しやすくなり、血圧が上昇します。特に高血圧症や動脈硬化を持つ方にとっては大きなリスクです。

02.心筋梗塞や狭心症の発症リスクの増加

血管が収縮すると血流が滞りやすくなり、特に心臓の血管(冠動脈:かんどうみゃく)が詰まったりすることで生じる心筋梗塞や狭心症の発症リスクが高まります。

03.冬特有の生活習慣の変化

外出が減り運動不足になりやすいことや、高塩分・高カロリーの食事が増えることが、心臓に負担をかけます。

代表的な疾患とその症状:詳細は、また別のクリニックレターで配信します。

01.心筋梗塞(しんきんこうそく)

突然の胸痛や息切れ、冷や汗が特徴です。放置すると命に関わることもあるため、早期の医療機関受診が重要です。

02.狭心症(きょうしんしょう)

胸が締め付けられるような痛みが一時的に現れる疾患です。特に寒い朝や運動時に症状が出やすいと言われています。端的にわかりやすく言えば、心筋梗塞の一歩手前の状態です。

03.心不全(しんふぜん)

労作時の息切れや、下肢のむくみ、体重増加が見られる場合は心不全の可能性があります。心不全の原因となるになる基礎疾患含め、特に寒い時期は症状が悪化しやすいため注意が必要です。

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冬の寒さによる心臓病を防ぐために

寒さと心臓の不調は完全には避けられないものの、以下の心がけでリスクを大幅に減らすことができます。

01.身体を暖かくして過ごす

暖房器具を活用して室温を適切に保ち、外出時には防寒対策を徹底しましょう。特に寒暖差の大きい場所では注意が必要です。

02.塩分を控えたバランスの良い食事

冬は鍋料理やスープなどが増える季節ですが、塩分摂取を控える工夫をしましょう。また、野菜や魚を積極的に取り入れることも効果的です。

03.定期的な運動

寒い季節でも室内でできるストレッチや軽い運動を心がけることで血流を促進し、心臓への負担を軽減します。

04.定期検診を受ける

高血圧や糖尿病など、心臓病のリスク因子を持つ方は、定期的な健康診断や必要に応じた治療を欠かさず行いましょう。

最後に

寒い季節は体調を崩しやすい時期でもありますが、小さな生活習慣の工夫で健康を守ることができます。特に、胸の痛みや息切れなど、普段とは違う症状を感じた場合には早めに医療機関を受診することが大切です。
当院では、循環器専門医の立場から、心臓病に関するご相談や診察も随時受け付けておりますので、気になることがあればお気軽にご連絡ください。皆さまが安心して冬を過ごせるよう、スタッフ一同全力でサポートいたします。

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