クリニックレター
2025.02.17
クリニックレター特別編 「マラソンと健康 〜走ることが身体に及ぼす影響と継続のコツ〜」
皆さま、こんにちは。2月に入り、まだ寒い日が続きますが、少しずつ春の気配も感じられる時期となりました。2月には、関西で「大阪マラソン」や「京都マラソン」などの大規模なマラソン大会が開催され、多くのランナーが街を駆け抜けます。そういう私も神戸マラソン、奈良マラソンに次いで、大阪マラソンにも参戦します(京都マラソンは諸事情により走れなくなりました)。そこで今回は、私の趣味でもある「マラソンが身体に及ぼす影響」と「ランニングを継続するコツ」についてお話ししたいと思います。
マラソンは健康に良い? 〜メリットと効果〜
マラソンやジョギングは、適切に行えば多くの健康効果をもたらします。
心肺機能の向上
- 有酸素運動の代表であるランニングは、心肺機能を鍛え、血流を良くします。
- 長期的に続けることで、高血圧や動脈硬化の予防につながります。
生活習慣病の予防
- 適度なランニングは血糖値の安定や脂質代謝の改善に役立ち、糖尿病や脂質異常症の予防になります。
- 継続的な運動は、肥満防止にも効果的です。
メンタルヘルスの向上
- 走ることでエンドルフィン(幸福感をもたらすホルモン)が分泌され、ストレス解消や気分のリフレッシュにつながります。
- 「ランナーズハイ」と呼ばれる爽快感を感じることもあります。
骨と関節の強化
- 適度な衝撃は骨密度を高め、骨粗鬆症の予防に役立ちます。
- ただし、過度な走り込みや間違ったフォームは関節に負担をかけるため、注意が必要です。
マラソンのリスクと注意点
健康に良いとされるマラソンですが、過度な負荷は身体に悪影響を及ぼすこともあります。
心臓への負担
- 長時間の激しい運動は、一時的に心筋への負担を増やします。
- 特に、持病のある方や普段運動不足の方が急に走ると、心負荷により心筋梗塞や不整脈を引き起こすリスクもあります。
脱水と電解質バランスの乱れ
- マラソン中は大量の汗をかくため、適切な水分補給が必要です。
- 電解質(ナトリウム・カリウムなど)の補給が不足すると、足のつりや低ナトリウム血症を引き起こすこともあります。こまめな水分補給を忘れずに。
膝や足への負担
- 長距離を走ることで膝や足首への負荷が蓄積し、ランナー膝(腸脛靭帯炎)や足底腱膜炎の原因になります。
- 適切なシューズ選びとストレッチを忘れずに。
ランニング後の免疫低下
- マラソン直後は免疫が一時的に低下し、風邪をひきやすくなることがあります。
- レース後は栄養補給と休息をしっかりとりましょう。十分な休み事をとる事も練習の一つです。
ランニングを継続するコツ~スマホアプリを活用する~
「ランニングを始めても、なかなか続かない...」という方も多いのではないでしょうか?継続するためのコツはスマホアプリを活用することです。
最近は、ランニングの距離や時間、消費カロリーを記録できるスマホアプリが多数あります。
おすすめのランニングアプリ(アプリ内の課金はありますが、無料で十分楽しめます。)
- Runkeeper(ランキーパー): 詳細な記録と音声ガイダンス機能が特徴で、初心者にも使いやすいアプリです。
- Nike Run Club (ナイキランクラブ): 初心者から上級者まで幅広く対応し、詳細なランニング記録や多様なトレーニングプログラムを提供しています。
- Strava(ストラバ): 30種類以上のアクティビティに対応し、ソーシャル機能も充実しています。ルート提案機能も便利です。
- ASICS Runkeeper (アシックスランキーパー): ランニング以外の運動にも対応し、音声ガイダンスやチャレンジ機能でモチベーション維持をサポートします。
- adidas Running(アディダスランニング): 操作が簡単で、他のユーザーとのバーチャルレース機能が特徴的です。
これらのアプリは、GPS機能を使った走行距離の記録、ペース管理、消費カロリーの計算など、基本的な機能を備えています。さらに、一部のアプリではApple Watchとの連携や、詳細なデータ分析機能も提供されています。
アプリを使うと、自分の成長が可視化でき、モチベーションが上がります
①目標を決める
「週に○回、○km走る」など、小さな目標を設定すると続けやすくなります。時間はかかりますが、走る事が習慣づけられれば、続けられます。
例)
- 初心者:まずは始めましょう。1回30分、週1-2回のウォーキング+ジョギング
- 中級者:続けましょう。1回5km-10km、週3回のランニング
- 大会出場者:自分のベストで走りきる。3ヶ月前から10km以上の練習を週4回
②ランニング仲間を作る
一人で続けるのが難しい場合は、友人やランニングサークルに参加すると習慣化しやすくなります。
③音楽やポッドキャストを聴く
お気に入りの音楽やポッドキャストを聴きながら走ると、時間が経つのが早く感じられます。
④自分に合ったシューズを選ぶ
適切なシューズを履くことで、膝や足の負担を軽減し、ケガの予防になります。こだわるとお金がかかるのが難点ですが・・・・
⑤無理をしない
「今日は走るのがしんどいな」と感じたら、ウォーキングに切り替えるなど、自分の体調に合わせることが大切です。
⑥大会にエントリーする
大会にエントリーすると練習するしかない。あえて自分を追い込むやり方もあります。
こんな症状がある方は注意!
以下の症状がある場合は、無理に走らず医師に相談しましょう。
- ❌ 胸の痛み・動悸がある
- ❌ 極端な息切れやめまいを感じる
- ❌ 関節痛や強い筋肉痛がある
- ❌ 発熱や体調不良が続いている
健康のための運動が、かえって身体を壊してしまっては本末転倒です。無理のない範囲で、楽しく走ることを心がけましょう!
最後に
マラソンは心身の健康に良い影響を与える一方で、無理をするとケガや健康リスクを伴います。適切な準備とケアを行い、安全に楽しみましょう。
もしマラソン前後の体調管理についてご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。皆さまが健康にランニングを楽しめるよう、サポートいたします!