クリニックレター
2025.03.17
クリニックレター特別編 「花粉症2025」
今年も花粉の季節がやってまいりました。2024年の夏は記録的な猛暑となり、花芽の形成に適した「高温・多照」という気象条件が九州から北海道にかけて広範囲で揃いました。この影響により、2025年春の花粉飛散量は前年より増加すると予測されています。
花粉の飛散量は、前年春の飛散量が少ないと増加し、多いと減少する傾向があります。2024年春は、花粉の飛散量が比較的抑えられた地域が多かったため、2025年春は全国的に飛散量が増加すると考えられます。 花粉症に関するクリニックレターは2024年の3月にも配信していますので、是非、参照ください。
2025年春の花粉飛散予測(関西地方)
飛散量とピーク時期
飛散量
近畿地方では2024年の約2倍に達する予測が出ています。特にスギ花粉とヒノキ花粉の飛散量が多く、花粉症の症状が重くなる可能性があります。
ピーク時期
- スギ花粉: 2月中旬から3月中旬がピーク。
- ヒノキ花粉: 3月中旬から4月上旬にピークを迎える。
2025年 春の花粉飛散量予測
例年比
2025年春の花粉飛散量は、例年(過去10年の平均)に比べると、九州から北海道にかけてのほとんどの地域で多く、四国・近畿は非常に多い所もあるでしょう。東北北部は例年より少ない見込みです。
現在の状況(2025年3月15日時点)
関西地方ではスギ花粉の飛散が「極めて多い」状態が続いており、症状の悪化が懸念されています。特に以下の症状が強く出る可能性があります。
- くしゃみ、鼻水、鼻づまり
- 目のかゆみ、充血、涙目
- 喉のかゆみ、咳、違和感
- 倦怠感や集中力の低下
花粉症対策のポイント
花粉症の症状を軽減するためには、以下の対策が重要です。
1.外出時の対策
- マスク、メガネ、帽子を着用し、花粉の付着を防ぐ
- 花粉の多い日(晴れ・乾燥・風の強い日)の外出を控える
- 外出後は衣服や髪についた花粉を払い落とし、洗顔・うがいを行う
2.室内環境の管理
- 窓やドアを閉め、花粉の侵入を防ぐ
- 空気清浄機を活用し、室内の花粉濃度を下げる
- こまめな掃除(特に床やカーテン)を心がける
3.薬による予防と治療
- 抗ヒスタミン薬や点鼻薬、点眼薬の使用
- 症状が重い場合は、医師に相談し適切な治療を受ける
- 初期療法(症状が出る前の早めの服薬)が有効
最後に
2025年春は例年以上に花粉の飛散量が多く、特にスギ・ヒノキ花粉の影響が強く出る見込みです。花粉症は「毎年のこと」と思われがちですが、対策を怠ると症状が悪化し、日常生活にも影響を及ぼします。
花粉症を軽く考えず、しっかりと対策を講じ、症状が強く出る前に早めの対応を心がけましょう。マスクやメガネの着用、室内環境の管理、適切な薬の使用で症状を軽減できます。
「少しの工夫で、花粉シーズンを快適に」――日々の生活に役立つ対策を取り入れながら、必要に応じて医師に相談しましょう。当院では花粉症の診療を行っておりますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。